肘手指の疾患

肘・手・指の主な疾患

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは、スポーツや加齢、日常生活における動作が原因で、肘の使いすぎにより負担が蓄積され痛みが生じる病気です。テニス選手に多く見られることから、「テニス肘」と呼ばれます。症状はモノを掴んだり、握るときに痛み、パソコンのマウス操作での痛み、テニスのバックハンドでの痛みなどが挙げられます。安静にしていると痛むことがないケースもあります。

治療方法


上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療方法には、保存治療と手術療法に分けられます。

保存治療では、患部の安静とアイシングが含まれ、炎症が強い場合はステロイド注射も行います。手術治療は難治性の場合に検討されます。手術では、損傷した組織の修復や摘出が行われ、患者の症状改善が期待されます。

予防

 テニス肘のストレッチ

  • ・ストレッチする腕を前に真っ直ぐ上げ、親指を下にして肘を伸ばす。
  • ・反対の手でストレッチ側の指を引っ張り、30秒程度キープ。
  • ・手首を内側に倒して同様にストレッチを行う。

野球肘

野球肘とは

野球肘とは、野球の投球やボールを投げる動作によって生じる肘の障害を指します。野球肘には、肘の内側に発生する内側型と、肘の外側に発生する外側型の2つの主要なタイプがあります。内側型の発症頻度が高く、特に野球をする少年に多く見られます。

症状としては、ボールを投げた後や投げる際に肘に痛みが生じ、可動域が制限されること、圧痛があることが挙げられます。野球肘の主な原因は、繰り返しのスローイング動作や成長期の投手においてオーバーユース(使いすぎ)が骨、軟骨、靭帯、筋肉に過度の負担をかけ、発症することです。

治療方法

野球肘の治療には投球を禁止し、サポーターなどを用いて肘を安静に保ち、消炎鎮痛剤の内服が行われます。硬くなった筋肉を動かすために温熱療法、電気治療、超音波療法などが行われます。また、投球フォームの修正や再発予防のためのリハビリも重要です。安静の期間は個々の症状や肘の靭帯や骨の状態に基づいて決定されます。

予防

野球肘の予防には、運動前の準備運動とストレッチが重要です。練習後のケアも欠かせません。肘の酷使を防ぐためには、投球数の管理だけでなく、肘周りの筋肉と関節をしっかりほぐすことも必要です。

 手首・肘の内側を伸ばすストレッチ

片手をまっすぐ前に伸ばし、手の甲は天井を向き、手首と腕が90度になるようにします。その後、反対の手で伸ばしている手の指先を体の方に引き寄せ、30秒程度キープします。次に、手のひらを反時計回りに180度回転させ、手の甲が地面を向くように調整します。その状態で手のひらを平らな場所に着き、ゆっくりと体重をかけていく動作を行います。

肘部管症候群

肘部管症候群とは

肘部管症候群とは、肘の内側に位置する尺骨神経が圧迫され、薬指や小指にしびれや手の使いにくさが生じる疾患です。尺骨神経は、小指や薬指、手の側面に感覚をもたらしています。初期の症状としては、小指と薬指にしびれが生じ、肘を曲げた状態が強くなることがあります。読書やスマートフォンの使用時にもしびれを感じることが一般的です。

症状が進行すると、しびれが前腕の小指側に広がり、箸の使用が難しくなることもあります。進行すると筋肉が萎縮してしまうこともあります。肘部管症候群の原因としては、加齢による骨の変形や靭帯の厚くなりによる神経刺激が挙げられます。また、骨折後の肘の変形やスポーツでの繰り返す負担も誘因となります。

治療方法

肘部管症候群の治療方法において、軽度の症状の場合は、肘の安静や固定、肘の曲げを避けるようにすることが一般的です。また、消炎鎮痛剤やビタミン剤の内服が行われ、症状の改善が見込まれない場合は、ステロイド注射が検討されることもあります。治療が効果的でない場合や麻痺が進行している場合は、手術治療が検討されることがあります。

手根管症候群

手根管症候群とは

手根管症候群とは、手の親指から薬指にかけての部分にしびれや痛み、親指の脱力が生じる神経障害の疾患です。手関節の手のひら部分の神経が圧迫されることにより引き起こされます。就寝中や朝方に手のしびれや痛みで目が覚め、手を振ると楽になるといった特徴的な症状があります。

筋肉に達する神経が痛むため、親指の付け根の筋肉が痩せてしまい、細かい作業が難しくなります。手根管症候群は女性ホルモンに関連するとされ、女性の発症が多く、中高年の発症割合が高いです。妊娠、出産、更年期などが関与していると考えられています。また、骨折やスポーツでの手の酷使も発症の要因となります。

治療方法

手根管症候群の治療には、運動や仕事の負担を軽減することが含まれます。消炎鎮痛剤やビタミンB12などの内服、外用薬の塗布、ステロイド注射などの保存的療法が行われます。超音波治療も循環を改善し、しびれを軽減することが期待されます。症状が改善しない場合は手術治療が検討されることがあります。

へバーデン結節

へバーデン結節とは

へバーデン結節とは、指のDIP関節(第1関節)に生じる変形性関節症の一種です。特に40代以降の女性に多く見られ、その名前は英国人医師に由来します。第1関節が赤く腫れ、変形し、曲がったり、水ぶくれができるなどの症状が現れます。

次第に関節の動きが制限され、痛みが生じ、手を握る動作が難しくなります。へバーデン結節の原因は不明ですが、更年期の女性に多く発症し、利き手以外の指にも症状が見られることから、女性ホルモンの関与が考えられています。また、ストレスの多い勤務環境や体質も関連しているとされています。

治療方法

へバーデン結節の治療には、腫れや痛み、しびれのある部位の安静と固定(テーピング)や服薬(鎮痛剤、漢方薬など)が含まれます。強い痛みがある場合は、ステロイド剤の関節内注射が行われることもあります。また、女性ホルモンに似た働きを持つエクオールを含むサプリメントの摂取が改善に寄与する場合もあります。

診療科目

・整形外科・一般外傷・形成外科・骨粗鬆症治療
・スポーツ整形外科・交通事故治療
・リハビリテーション科
・漢方治療

住  所

〒816-0872 福岡県春日市桜ケ丘2-15

電  話

092-586-8511

診療時間

9:00~18:00(12:30~13:30は受付時間外/日祝休診)

※午前中は8時50分、午後は13時50分より受付いたします。
学会等の都合により、診療医師や時間が変更になる場合があります。

診療スケジュール

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